tech venture business » Posts in 'ビジネス of ベンチャー' category

ベンチャーにおける志共有のススメ

どうも。今日はちょっと組織の話でもしようかと思います。

企業理念・風土・文化とか、企業のDNAとか、リッツカールトンで有名なクレドとか、ビジョンとか、ミッションとか、の様々な名称で、組織をどうまとめるかという事が考えられるようになって久しいですが、どうも上辺だけで取り繕われている感じもあり、自分がそこで仕事をするということにどう影響するのかピント来ない人も多いのではないかと思います。また、こういった組織の話は大企業に関するもので、ベンチャーにはまり関係が無い、と思われている場合もあるように感じます。

私も以前大きな会社で働いていた時は、風土や文化というものは、良くも悪くも何となく社内の常識みたいなものに染まっていく過程で、ある程度共有されるように感じましたが、もっと積極的なビジョン等については、何の意味もなさないお飾りで社外広報に過ぎないと思っていました。でも、大組織の場合は、実は皆がそういう冷めた感じであってもやっていけるんですね。其々に持っている帰属意識やネームバリューに対する序列的な誇らしさとかがロイヤリティーを高めていることもありますし、多くの人が給与と引き換えに受動的に仕事をこなしているだけだとしても歯車は結構きっちりと廻っていくわけです。

それが、ベンチャーとなるとそうは行かないことが多いのです。少人数ゆえに数人が違う方向を向いているだけでも割合的に非常にキツイですし、創業者や初期のメンバーが共有していたものが組織が成長するにつれ新たに入ってきた人達と共有されなかったり、また創業者間でも実は呉越同舟だったことが分かったりしてバラバラになってしまうことが少なくありません。

その意味で、ベンチャーにこそ、皆を1つの方向に束ねる何かが必要だと思うのです。それは行動指針というような統制的なものではなくて、皆が会社の意義と自分の実践したい意義を積極的に重ね合わせることができるような志のようなものだという気がします。存在意義を明確にしてそれに共鳴する人だけを組織に加え、見失わないようその意義を何度も確認する仕組みを持つのが理想的なのかもしれません。

今日のVentureBeatの記事でこの辺の感覚を記していたものがあるので軽く紹介します。
著者(Darian Shirazi)は以前は企業のアイデンティティなんて必要ないと思っていたが、経験を経るにつれてベンチャーとはただ製品を開発して市場に出すだけではないと気がついたとして、Facebookで働いていた頃に触れています。

After working there for several months, it wasn’t watching internal stats about active users that motivated me to continue building product. I was driven because I truly believed I was building something that was revolutionizing how people communicated. This startup mantra of “revolution” and bringing a new era to the internet world was one that fueled me more than the dozens of Coke’s I was drinking per day to stay awake through the night.
… This method of having people work towards a common goal is one that makes it practically impossible to leave a company.

Facebookの場合はrevolutionize how people communicateという志があって、それに向けて各々が積極的に考え貢献しているようで、この記事にもありますが、革命のシンボルである突き上げた拳の絵が社内の壁に描かれており、その志を確認するのに役立っているそうです。

マントラというのはそのエッセンスを簡単に覚えられるフレーズにしたものだと考えて頂けると良いと思いますが、Guy Kawasakiが自著のThe Art of the Startでその効用を分かりやすく述べているので、参考にされてみては如何でしょうか。ここではその一部分ミッションとマントラの違いについて記した彼のブログエントリーにリンクしておきます。

私の場合も今の会社はとても小さいのですが、その志に共感するからこそ、楽しんでより積極的に関わる事が出来ているように感じます。日々のタスクには面白くない事ももちろん混ざっていますが、そんな時でも志を念頭におくことで捉え方が変わってくると思うのです。うちの場合はマントラや絵でなくて、ミッションなためか、全員が常に考えているとは思えないふしもあるので、ちょっと話し合ってみようかなと思います。

今日はこんなとこで。

起業と年齢と密度の濃さ

どうも。また一週間の始まりですね。

近頃、起業するなら30歳以下、という話題がValleywagを皮切りに賛否両論のちょっとした論議を巻き起こしているようです。どうですかね。私は年齢は関係ないと思っていますし、こういう話を聞いて「やはり遅すぎるか」と起業を諦めるようであれば、その人は多分起業しない方が良いと思いますし、投資の基準をそこに置くというのは余りにも浅はかなので、まあ社会学的統計ネタとしては面白い部分もあるのですが、実際の影響度は低いのかもしれません。

確かに、大成功し名の良く知れたベンチャーでは、ファウンダーが若いことは多い様です。若い時には勢いがあったり、働く事に対して妙に冷めた”常識”に埋もれていなかったり、扶養家族もおらず経済的に心配事が少ない、という環境の利点は事実としてありますよね。ただ、テクノロジーに関してはどんどん新しいことがでてくるので、子供の頃から何に触れ当たり前と認識してきたか、学校その他で学んだ過去の問題点を踏まえた最先端の知識という部分がかなり違うので、革新的なものは若い世代から出やすいということもあるのだと思います。ウェブ系はその顕著な例でしょう。

こういったベースの部分でのハードルの高低は多少あるにせよ、それでもどのようなことに問題意識を持ち学んできたか、何をどのようにして生きていきたいか、というのは人其々ですから、実際の年齢に左右されるべき事ではないと思います。

とは言え、私がスローライフ派だからかも知れませんが、とても若くして起業する人々にはついつい関心を持ってしまいます。環境によってはより多くの人が背中を押されて起業するように思うのですが、環境に関わらずいつの時代にも起業家になるために生まれてきたかのような、早熟な知性とでも言うんですかね、そういうとても若くて優秀、勤勉な一握りの逸材はいるものですよね。

私のこの関心はビジネスの観点というよりも、社会学・心理学的な観点からのものなので極めて失礼だとは思うのですが、ここでは、タイミング良く最近見聞きした二人について記しておきます。

まずは先日のTiECON(シリコンバレーにおけるインド系主体の大規模起業家カンファレンスです)で話題になった、ElementeoのCEOで13 歳のAnshul Samar氏。

テクノロジーベンチャーではないのですが、化学が学べるカードゲーム等、教育とゲームの掛け橋というところをついているようです。リンクにピッチビデオがありますが、いやーホントに感心。他の起業家と比べて劣らぬ自信と要領を得た話し方。しっかりしてます。

もう一人は今日、My Start-Up Life: What a (Very) Young CEO Learned on His Journey Through Silicon Valleyという本を出版した、現在19歳のBen Casnocha氏。こちらは若さという観点でなく、ベンチャービジネスの観点からも非常にためになる本との評判ですので、私もぜひ後日読んでみようと思います。 以下Amazonから引用します。

Ben Casnocha started his first company at age 12. By the time he was 16, he was nominated for Inc. Magazine’s “Entrepreneur of the Year” and was chairman of his second company, Comcate. While playing high school basketball and editing the school paper, Casnocha was also sneaking away to early morning flights for sales calls with customers. With the support and advice of some of Silicon Valley’s brightest minds, Casnocha crammed a lifetime of business experience into just a few years, all of which he shares in this unique book.

16歳で会長、学校に行く前に飛行機で顧客訪問とか、いやいや、ご立派。自分が普通の仕事をしている親だったらどういう感じなんでしょうね。

生き急ぎということが無いとすると、自分のしたいことを追求するというその密度の濃さについて彼らに学ぶ事は大きいなと自戒する私であります。
取り留めないですが今日はこの辺で。では。