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買収提案の棄却 – twitterの場合

どうも。先週の休暇からまだ回復中です。

さて、先日、twitterがFacebookからの$500Mとも言われる高額の買収提案を断ったという話がありましたね。その後のNYタイムズのインタビューによると、その理由は「まだ収益化の可能性を追求できておらず、時期尚早」ということですが、当然ながら価格等の条件の面で折り合いがつかなかったというのもあるでしょう。

ファウンダーがかなりの自社株を保有している場合は幅広い裁量が可能ですが、通常VC等の外部資金が入っている場合は、ベンチャーがどのようなフェーズであろうとも、あらゆる買収提案は取締役会で真剣に議論されます。株主利益という観点から、基本的には提示されている条件と将来予測の現在価値を比較するわけです。

アーリーステージのベンチャーにとっては将来の収益予測というのは希望的推測にすぎないことが多いので、意見はかなり分かれますし、正しい価格というものが一義に決まるわけではありません。投資家がそれぞれの立場で、「これぐらいのリターンがないと」というボトムアップの計算をすることも多々あります。

それだけでも難儀なところ、相手も非上場企業で株式での買収を提示している場合は、変数が増えてかなり大変になります。

今回のFacebookのオファーはこの範疇のもので、Facebook自体のバリュエーションの見解でかなりの開きがあったようです。マイクロソフトが昨年$240M投資した際のバリュエーションと言われる$15Bをベースとすると、オファーである約3%の株式は$500Mとなるのですが、twitter側はFacebookのより「現実的」なバリュエーションは$5Bとして、それによると$150Mの買収提案となるわけです。

まだ収益のないベンチャー企業に対して$150Mとは多額だと思われる方もいらっしゃることでしょうが、前回のTwitterの資金調達時のバリュエーションが$80Mから$120Mの間だったということなので、それに比べると、株主にとってはそれ程魅力的なオファーではないということになったようです。

その後計画通りに物事が進むかは分からないので、その時点での情報をもとに決断するしかないわけですが、今回twitterのボードはtwitterは今後もっと価値が上がると踏んだということですね。どうなるかは見守るしかないですが、「あの時のオファーを受けていれば…」とだけはならないと良いですね。

では今日はこの辺で。

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