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解雇しなければならない時には…

どうも。ベイエリア在住の方はご存知かと思いますが、先日、シリコンバレーにある半導体デザインのベンチャー、SiPortで殺人事件がありました。

解雇された社員がCEOなど経営幹部3名との話し合いを求め、その際所持していた拳銃で彼らを殺害したということらしいです。そこに至る状況の解明はこれからですが、どのような事由にせよ悲しく衝撃的な出来事であります。

解雇やレイオフというのは誰にとっても気持ちの良いものではないですし、そのような状況にならないに越したことはないですが、どうしてもという時に雇用側は非常に慎重になる必要があります。今回の事件がそうでなかったと示唆するものでは全くありませんが、以前に出席したセミナーで後日触れると言いつつ忘れていたもので、ベンチャーにおいて解雇をする際の注意点という話があったのを思い出したので纏めておこうと思います。

1.人事的な決定事はサプライズの無いようにすること

2.首になるということは自尊心がかなり傷つくし、対外的にも非常に辛い思いをするものだと認識すること
過去に自分が首になったり、悪い評価を得たりした時の状況を想起し、どのように対応して欲しかったかと考えたりするなど、相手の立場になることが重要。

3.解雇のプロセスは後に企業文化の一部となることを認識せよ
今自分がしようとしている解雇が企業の価値観に見合っており、その後の行動パターンとなっても大丈夫なものか、今一度検証すること。

4.解雇には生の感情がからみ品位に相応しくない状況にもなりえるので、そうした状況を避けるためにも、オープンで誠意のあるコミュニケーションをとること
例えば、理由がパフォーマンスであれば、誠実に話し合い、改善のチャンスを具体的に結果が計れる形で提示し様子を見て議論を重ねる等。

5.解雇される(た)社員の今後が好転するよう、できる限りサポートすること
例えば、退職した元社員についてネガティブなコメントは一切しない。 (アメリカであれば)リファレンスを可能な限り引き受ける。退職までの猶予期間をもうけて、その間仕事が探しやすいように勤務時間をフレックスにする。

6.解雇に該当する基準(例えば、何がしかの法律違反の場合は即刻解雇など)、及び退職手当等のポリシーを明確にすること

7.該当する法律をしっかり理解しておくこと
アメリカであれば「at-will employment」という根底の話がありますし、州ごとにも違いがあるはずですのでご注意を。

8.退職の際の同意事項は予め準備し、きちんと手続きすること
(知的所有権の帰属、社員の引き抜き禁止など)

私はどちらの側にも今のところ直接関わったことがないので物を言える立場ではないのですが、2の点は特にこれがレイオフとなると見過ごされていることが多いように思います。個人個人には痛みがあるはずなのに、誠意も公正も無く数の一つとして処理されてしまうことは数々見てきました。この経済状況下、益々多くの方が苦しまれていることでしょう。日本では逆の問題もあるとは思いますが。

労使関係の違いは日米でかなりありますので、こちらで起業する方は解雇だけでなく、様々な差別などに関する法律、仕組みをきちんと理解しておかないと大変なことになるので、気をつけて下さいね。

では、今日はこの辺で。 あ、「捨てる神あれば拾う神あり」とでも言いますか、求人情報が今日一つ入りましたのCommunityページに載せておきます。興味のある方はご連絡下さい。

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