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Amazonのマネージメント考

どうも。暫くあいてしまいましたが気を取り直して…  さてさて、ここアメリカではサンクスギビング(感謝祭)明けの今週からクリスマス商戦が始まるわけですが、色々見ていて上手いなーと思うのは、Amazon。

もう起業から17年経つのに、常に挑戦していて新しみがあって、すごく戦略的だと思います。いやー、Jeff Bezosは偉大です。

最近のFortuneで彼の特集があったのですが、普段あまり語られないマネージメントの話しがあり、非常に興味深かったです。

例えば、幹部ミーティングではパワーポイントは禁止で、Narrativeと呼ばれる6ページくらいの書面に落とす必要があるのだそうです。会議の冒頭で、まず各々がその資料をメモをとりながら黙々と熟読し、その上で議論するとのこと。文章にすることの理由は、そのほうが難しいから。きちんと考えつくさないと、そのぐらいの量の文章をしっかり書くことは不可能だからなのだそうです。確かに、箇条書きやチャートで、後は口頭説明に頼るスライド形式だと、詰めも甘く様々な解釈の余地がありますよね。なお、わざわざミーティングで黙読するのは、グループとして行うことで熟読を強いられるからだそうです。

もう一つ意外だったのは、Amazonにはいわゆる(インセンティブ)成果報酬は無いそうです。給与レベルも他社に比べて著しく低いとのこと。但しチームを報いないわけでは全くなく、その分は株で補われます。努力して会社の業績が上がればその見返りがある、という分かりやすい形で皆を一方向に向わせるんですね。給与のレベルが低く、最近のスタートアップで見られるような3食付などの福利厚生もないので、Amazonで働くモチベーションは、そこで面白いことが出来るから、に尽きるようです。

この規模になって「面白いことができる」という魅力で人材をとれるのはすごいことだと思いますが、このような体系が可能なのは、Amazonがシアトルにあるという物理的な要因もあるのではないかと思います。転職・取り合いの多いシリコンバレーではなかなか難しかもしれません。

前にも触れましたが、Amazonはお客様に如何に安く提供するかを考えている会社なので、その実現にはもちろんコスト面は倹約である必要があります。が、このような仕組みや考え方を一貫して行うには、トップがカルチャーとして牽引して実行する以外には多分無理なのだろうと思います。もちろん会社の成長ステージによって再考することはたくさん出てきますが、コアのカルチャーはかなり初期から意識してつくる必要があるので、スタートアップでも注意が必要です。

というわけで、今ではスタートアップの面影が薄いAmazonですが、起業家・経営者として参考になることもたくさんあると思いますので、興味のある方はぜひ色々探ってみてください。