tech venture business » Archive of '5月, 2007'

著名メディアに掲載される術

どうも。先週末は今年に入ってから初の3連休でゆっくりしておりました。アメリカでの国民の休日の少なさには驚くものがあります…。

さて、それはさておき、今日はちょっとマーケティング、PRの話を。

ここ数年、ブログ等のネット上の動きにともなって、広告費の僅かなベンチャーでも様々なことが効果的にできるようになりましたよね。このバイラルマーケティングということについては、Seth Godinはじめ様々な書籍や情報がありますので、勉強され実践されている方も多いかと思います。それでも何かの著名メディアに言及されるとそのリーチ数が大きいために、かなりの反響があるようなので、知名度を高めるためにも合わせて狙って行きたいところですよね。

そこで今日は、どのようにしてメジャーな新聞や雑誌、そして有名で影響力のあるブログに載るかとうことについて触れたいと思います。この辺のプロセスは日米で違いがあるのかもしれませんが、アメリカでの例ということで幾つか「ほほぅ」と思ったブログエントリーを紹介します。

まずはMefeediaというビデオブログ・ポッドキャストのアグリゲーションサイトを趣味で創設し最近まで運営していたPeter Van Dijckの経験から。その名も、3 things I learnt about PR by getting my “startup” mentioned in the New York Times, the Wall Street Journal, Times, Business 2.0, RollingStone and Forbes. 以下ポイントの意訳を。

①Access
ジャーナリストがその分野のことを調べていると幾つかの企業にコンタクトをとるので、その時に連絡が取れるようにメールアドレスや電話番号をホーページ等にのせておく。実際に話したときには発言を「引用可」にしておくと、記事で言及されやすい。また、彼らは締め切りに追われているので、自分にちょっと不都合でも話す時間を工面してあげることが重要。

②It’s their story. Not yours.
ジャーナリストから連絡を受けた時には、自分が書いて欲しいことを伝えるのではなく、むしろ相手が書きたい記事を書くことを手助けする。例えば、同業の知り合いを紹介したり、関連する情報や統計やリンクを後で送る等。大事なのは自分の知識を惜しみなくだすことで、彼らが自分をその領域の専門家で良い情報ソースだと思ってくれることだ。そうすることで、その時の記事にはならなくても、後日別の記事のために連絡がくる。自分の領域に関する記事を見た場合に、その記事の感想に添えて自分のやっていることを簡単に紹介するメールを送るのも良い。

③PR is better than advertising
ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナル等にフィーチャーされることの価値は、そこから得られるトラフィックよりも、それらの有名紙に掲載されたと言えることにある。その事がさらにプレスからの注目を集めることになる。

彼の場合は、有名紙で言及されたことによるトラフィックはブログでのそれに比べると微々たるものだったそうですが、日本の場合は新聞を毎日読んでいる人が多いのでその限りではないように思いますが、どうでしょうか。②に関してはブログを書かれている方の多くが実感していることかもしれませんね。情報を惜しみなく出すことで得られる効用はかなり大きい時代になっている気がします。ちなみに、アクセスということでは、私も連絡先としてメールアドレスを Contact欄で公開しております。必ずお返事はさせて頂いておりますので、どなた様もお気軽にどうぞ。

さて、特にテクノロジー関連で影響力のあるブログの一つにTechCrunchがあります。TCが有名になればなるほど、既存のメディアと同様にフィーチャーされるのが難しくなり、どうすれば載れるのかということについて様々なことが言われています。

オフィシャルなものとしてはTop Ten Things You Can Do To Get Bloggedをご参照頂ければと思います。TechCrunchだけでなく、他のブログにも活かせそうですよ。ここでもブログ等を通じて自分から惜しみなく情報を発信することの利点が述べられています。その後、更にボリュームが増したので今はフォーラムを活用していてそこに自分のベンチャーを紹介できる仕組みを設けているようです。

その件に関してGuy Kawasakiが「実際どうなの?」とMike Arringtonにインタビューしたものはこちら。上記の公式見解にはでてこなかったものとしては、VC等のTechCrunch関係者の知り合いから紹介をうけること。そして、自社紹介文は最初の2-3 行しか読まれないと思って、簡潔に要領よく書き、陳腐な仰々しい形容詞(例えば “revolutionary,” “Web 2.0,” “huge,” “change the way you’ll use the Internet,” “disruptive”等)例えばを使わないこと。

この要領良く、ファクトベースで、というのは様々な場面で気をつけるべき重要な点だと思います。私もクライアントの紹介資料を作るときには細心の注意を払いますが、プレゼンを聞く人は「革新的」とか書いてあるからそう信じるわけではなく、実質がものを言うのです。自社によるそのような言葉はかえって興醒めです。

如何でしょうか。こういうやり方もあるのでは、自分はこうしている、などのコメントを頂けると嬉しいです。
今日はこんなとこで。

ベンチャーにおける志共有のススメ

どうも。今日はちょっと組織の話でもしようかと思います。

企業理念・風土・文化とか、企業のDNAとか、リッツカールトンで有名なクレドとか、ビジョンとか、ミッションとか、の様々な名称で、組織をどうまとめるかという事が考えられるようになって久しいですが、どうも上辺だけで取り繕われている感じもあり、自分がそこで仕事をするということにどう影響するのかピント来ない人も多いのではないかと思います。また、こういった組織の話は大企業に関するもので、ベンチャーにはまり関係が無い、と思われている場合もあるように感じます。

私も以前大きな会社で働いていた時は、風土や文化というものは、良くも悪くも何となく社内の常識みたいなものに染まっていく過程で、ある程度共有されるように感じましたが、もっと積極的なビジョン等については、何の意味もなさないお飾りで社外広報に過ぎないと思っていました。でも、大組織の場合は、実は皆がそういう冷めた感じであってもやっていけるんですね。其々に持っている帰属意識やネームバリューに対する序列的な誇らしさとかがロイヤリティーを高めていることもありますし、多くの人が給与と引き換えに受動的に仕事をこなしているだけだとしても歯車は結構きっちりと廻っていくわけです。

それが、ベンチャーとなるとそうは行かないことが多いのです。少人数ゆえに数人が違う方向を向いているだけでも割合的に非常にキツイですし、創業者や初期のメンバーが共有していたものが組織が成長するにつれ新たに入ってきた人達と共有されなかったり、また創業者間でも実は呉越同舟だったことが分かったりしてバラバラになってしまうことが少なくありません。

その意味で、ベンチャーにこそ、皆を1つの方向に束ねる何かが必要だと思うのです。それは行動指針というような統制的なものではなくて、皆が会社の意義と自分の実践したい意義を積極的に重ね合わせることができるような志のようなものだという気がします。存在意義を明確にしてそれに共鳴する人だけを組織に加え、見失わないようその意義を何度も確認する仕組みを持つのが理想的なのかもしれません。

今日のVentureBeatの記事でこの辺の感覚を記していたものがあるので軽く紹介します。
著者(Darian Shirazi)は以前は企業のアイデンティティなんて必要ないと思っていたが、経験を経るにつれてベンチャーとはただ製品を開発して市場に出すだけではないと気がついたとして、Facebookで働いていた頃に触れています。

After working there for several months, it wasn’t watching internal stats about active users that motivated me to continue building product. I was driven because I truly believed I was building something that was revolutionizing how people communicated. This startup mantra of “revolution” and bringing a new era to the internet world was one that fueled me more than the dozens of Coke’s I was drinking per day to stay awake through the night.
… This method of having people work towards a common goal is one that makes it practically impossible to leave a company.

Facebookの場合はrevolutionize how people communicateという志があって、それに向けて各々が積極的に考え貢献しているようで、この記事にもありますが、革命のシンボルである突き上げた拳の絵が社内の壁に描かれており、その志を確認するのに役立っているそうです。

マントラというのはそのエッセンスを簡単に覚えられるフレーズにしたものだと考えて頂けると良いと思いますが、Guy Kawasakiが自著のThe Art of the Startでその効用を分かりやすく述べているので、参考にされてみては如何でしょうか。ここではその一部分ミッションとマントラの違いについて記した彼のブログエントリーにリンクしておきます。

私の場合も今の会社はとても小さいのですが、その志に共感するからこそ、楽しんでより積極的に関わる事が出来ているように感じます。日々のタスクには面白くない事ももちろん混ざっていますが、そんな時でも志を念頭におくことで捉え方が変わってくると思うのです。うちの場合はマントラや絵でなくて、ミッションなためか、全員が常に考えているとは思えないふしもあるので、ちょっと話し合ってみようかなと思います。

今日はこんなとこで。