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「イースターエッグ」マーケティングとは

イースターエッグってご存知でしょうか。もともとは復活祭(イースター)でゆで卵にペイントしたり絵を描いたりして、それを色々なところに隠して子供達が見つけたりするお祝い事のことを指しています。では、製品開発或いはマーケティング用語としてはどうでしょうか?

これは卵探しと同様に、製品の機能をわざと隠しておいてユーザーに見つけさせて、バイラルで話題にさせるテクニックを意味します。

ゲーム業界ではかなり昔からこの技は使われていました。必ずしも「マーケティング」を狙ったものではなかったかもしれませんが、「どこをつつくとボーナスアイテムが獲得できる」みたいな話しは、子供(大人もかもw)同士ではかなり重要な話題であり、誰がそういう秘密を見つけるかというのもかなり競争をあおったという思い出があるのではないでしょうか。

現在ではそれがゲームを超え、コンシューマー向け製品・サービスにかなり組み込まれることが増えました。例えば、Siriが出たころなんかは、多少意地悪な質問に対する面白い回答はかなりネタになりましたし、Googleで画面がすごいことになる隠れ検索ワード(do a barrel roll)が話題になったこともありましたよね。最近ではSnapchatなんかは、フィルター加工の隠れ機能等、このマーケティング手法を上手に使っていると定評があります。

この技は製品・サービスが既にある程度のエンゲージメントがあったり、そうでなければよっぽど斬新でないと中々期待通りの効果はでないという面はあるのですが、試してみる価値はあると思います。

隠れてる、でも見つけられる、且つ見つけて楽しく、人に伝えたくなる、というラインはかなり微妙で、他の例や試行錯誤が必要になると思います。これは製品・サービスそのものの性質やUXにもよるでしょうが、上手くやるにはかなり考えて実行する必要がありそうです。

が、ちょっとアドホックでもしかしたらできるのかなと思ったのが、例えばアプリで新しいフィーチャーを加えるとして、でもUIを一新しない限りそこへのナビゲーションが遠くて説明がまどろっこしくなる、ということが予想される場合、それを敢えてイースターエッグとしてしまう、というのはどうなんでしょう。まあケースバイケースでしょうが。

もし経験談などあれば、ぜひ。

では今日はこの辺で。

 

 

 

 

 

USにおけるiOSアプリ市場の全容

度々ふれているアプリについてですが、膨大な数があって埋もれがちというのは誰もが感じますが、実際の数値については意外に情報がないんですよね。

そこで全容をざっくり把握するには地道に調べて積み上げるしかないかなと思っていた矢先、ずばりそれをやってくれた記事が昨日ありました。興味がある方もいらっしゃると思うので、ここでサマリーを紹介しますね。

US App Storeの2013年5月時点数値

  • 総アプリ数:760,000強
  • アプリ売値合計額:$1.13 million (アプストア上の全てのアプリを購入するには1億円以上必要ということになります)

以下、カテゴリー別の数値です。なお、複数カテゴリーで登録している場合でも、プライマリーのカテゴリーにだけカウントされています。

予想通りですが、ゲームが圧倒的に多いですね。数の次点はエンターテイメントだと推測してましたが、教育・学習でした。この分野は有料アプリの値段もそこそこ取れるので、売値総額では最大となっています。一方、アプリの平均単価が高いのは、メディカルとビジネス、まあこれは妥当な線でしょうね。まあ、あくまでも平均ですが。

アプリ数、有料・無料の割合という観点から見たのが次のチャート。

半々くらいなものが多いなか、ビジネスやニュース、ファイナンス、ソーシャルネットワーキングは有料率がかなり高いですね。ソーシャルで有料が多いのは、デート系が多く含まれているからでしょうね。

ではカテゴリー別の実際のダウンロード数やレベニューはどうかというと、データは異なるのですが、App Annieのものが参考になるかと思います。(こちらはグローバル、2013年第一四半期のみをもとにしています)

こう見ると、ProductivityとSocial Networkingのカテゴリーでは総数は少ないけれども売上げはよいので、良いもの作ってきっちりマーケティングすれば、神業マーケティングやとんでもなくラッキーな状況がなくても、競争できそうな雰囲気ですね。

 

どうでしょう。全容といいつつ、GigaOMのデータはアプリ内購入について全く加味してませんし、App Annieのレベニューデータにそれが入っているかは確認できてませんが、まあ、ざっくり規模感を見るには、よいデータなのではないかと思います。

最近は法人向けやハードにトレンドがシフトしてきている感がありますが、アプリだけで生きられるのは、まあ、かなり限られるかと。ちなみに、リンクにあるApp AnnieのデータによるとiOSのマーケットは日本がUSに次ぎ2番で、USと日本でほぼ50%を占めるそうです。参考まで。

では今日はこの辺で。