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シリコンバレーで通用する英語

シリコンバレー進出の最大の障壁は何かというと、アイディアとか製品とかデザインとかではなくて、労働ビザと英語だと私は思ってます。そういういわばつまらないことで頓挫したり前に進めなくなって、結局日本国内におさまるというケースはかなり多いです。戦うどころか土俵にあがるのがまず大変、ということです。

ビザの話はまたの機会においておくとして、今日は英語について。

ではシリコンバレーでやっていくには英語はどのくらい必要か、という質問をされることがありますが、はっきり言ってしまうと、かなり必要。できればできるだけ良いです。よく「できなくても何とかなる」的なことが言われたりしますよね。それは間違いではないですが、結果論というか自慰的というか、旅行者が何とか身振り手振りも交えてどうにか目的地にたどり着けて、あー英語が通じてよかったと言っているみたいな感じがします。本気で海外市場で周りにネイティブがごろごろいる中でやるのであれば、そういう耳障りのよい言葉は返って非建設的だと思うのです。

このあたりをはっきり言ってくれたのが、お友達で当地一流弁護士のYokum Takuさん。TechCrunch Tokyo 2011のGo Silicon Valleyというパネルディスカッションで、英語が話せることが最重要とぐさっときっぱり言ってくれました。皆でなくてもファウンダーの一人、或いはHustle役*は英語が出来る必要があると。(*ここでは開発以外の外向きなことを色々推進する立場のひと、という意味だと思ってください。この言葉についてはまた後日改めて。)彼は日本のクライアントも多いですがいわゆる日本人相手の弁護士ではなくて、シリコンバレーの数多くのスタートアップの設立やM&Aを支援するインサイダーです。彼の口から「英語が話せなければまともにとりあってもらえないよ」と出ることは、それが心ある現実だからです。

確かに必要な場面で通訳などのヘルプを活用してできること・すべきこともあります。が、シリコンバレーでは日々色々な機会があって、ネットワーキングしたり、会いたかった人に偶然あえたらその場でエレベーターピッチしたり、ということがしょっちゅう必要になります。自分のアイディア拡散やメンバー探しを含め、スタートアップはある意味常にセールス活動をしている状況です。常に通訳にお供頂くわけにはいかないでしょうし、一人の場合そこでだまっていては一歩も進めません。実際、日本発のスタートアップで、当地で有名なインキュベーターに入ったり、投資を得たり、名の知れたアドバイザーなどの支援を受けられたり、かなりユーザーを獲得するなどしているところは、総じてメンバーの誰かは英語がある程度できます。

また、実際にこの地にこなくても、日本にいながらスタートアップ関連で学べることは、英語のコンテンツでは膨大にあります。だれかが翻訳したりサブタイトルをつけたりしてくれなければ吸収できない、というのではもったいないです。アメリカや外の海外で英語のできるスタートアップは皆やっているのですからどんどん差もつきます。

じゃあ、どのくらいのレベルが必要かというと、、、多くの人にとっては、想像よりは低いけど現時点のレベルからは遠い、というところでしょうか。言葉で説明するのは難しいので、一つベンチマークを見てみましょう。先述のパネルでYokumが「ぼくの今言っていることが通訳無しでわからなかったら、相当問題」というレベル感を示してくれていますので是非リンクの動画を参照して確認してみてください。(多分18分目くらい)

というわけで、起業家・スタートアップを支援する身としては、この問題に取り組む必要があると思っています。そこで、「シリコンバレーで通用する英語」を身につけるサポートをしようと考えています。

一つ目の方法としては、起業家やスタートアップ関連の人やそうしたことに興味がある方々に向けて、普段このブログで扱っているようなネタを題材とする英語学習プログラムStartup English Hacksです。一般的な英語では意味がないし遠回りなこと、それから、英語のお勉強のためだけに手間隙をかける(+そのため続かない)というボトルネックを解消するため、英語学習とスタートアップに関する情報収集を兼ねるのです。実際には時折原文としてあげているような英語のブログ記事を読解の材料としたり、当地の起業家のインタビューや講演などの動画を活用したリスニングやシャドウイングを予定しています。シャドウイングは話す力の向上には非常に効果的なのですが、日々やりたくても適切な題材をみつけるだけでも面倒で挫折してしまうので、私自身もこういうのがあればいいのにと思っていたものです。

「予定」といっているのに気づかれたかと思います。このサイトで何度も書いてますが、Lean Startup的にイテレーションしながら進めます。なので、まずはこのコンセプト自体に需要があるかなどのフィードバックを元につくっていくので、方向性がかわることもありますし、ポシャることもありますw

長くなりましたが、まずはMVPからスタートです。興味のある方はサイドバーにある「新サービスのお知らせ」リンクをぜひご参照下さい!ご意見ご質問等あれば、このコメント欄でもぜひ。

「シリコンバレー進出」はシリコンバレーに居ずとも出来るハズ

シリコンバレーに限ったことではなく、アメリカ全体、または他の国・地域でもそうですが、日本市場だけでなく他の市場にも向けて製品・サービスを展開したい、という場合、かなりのことは実は日本国内に居ながらできるのではないかと思ってます。

昨今シリコンバレーをめざす起業家・スタートアップが増えていて、それはそれで好ましいことなのですが、どうも実質的な意味で「進出」がなかなか進まないなという感じがします。設立自体はデラウェア登記で行ったものの、観光ビザで行ったり来たりで結局殆どの活動は日本国内で行うことになったり、視察やイベント参加で訪れたりするものの実際の行動には至らなかったり、そんなことが多い様です。

シリコンバレーの情報をゲットするとか、シリコンバレーでの起業自体が重要なのであれば、それで良いのでしょうが、製品・サービスを世界市場で「シリコンバレーのスタートアップ的に」展開するのが目的であれば、まずはモノをつくって日本以外のユーザーを獲得してフィードバックを得ることが先決なのではと思うのです。が、それが出来ていないケースが殆どです。ニーズがあるか分かる前から多額のお金をかけて物理的な進出をするのは得策ではないですし、ビザの問題や資金調達に引きずられて動けなくなります。

そしてそれは日本に居ながらにしてもある程度可能なことです。

この場合「モノをつくって」というのは、製品を日本語で日本のユーザー向けにつくりこんで、それをただ英語に訳したものでは決してありません。それは失敗パターンです。そうやってつくったものがアメリカで広まらないのはマーケティングが弱いからではまずないです。必要なのは、自分達のビジョンにニーズがあるかを検証し、その後つくりこみを重ねていくための最低限のモノ(リーンスタートアップで言うMVPです)で、その準備或いは開発自体は日本国内に居ながらできるはずです。当地のユーザーの感覚を感じるために事前に視察するとか、一時期当地で生活するとか、特に海外経験が不足している場合はその点を補うことは必要かもしれませんが、それもかなりのことはウェブで可能だったりします。自社に当地で通用するレベルの英語人材が欠けているのであれば、それは外部の人やサービスを活用して補う必要があります。(製品やサイトの英語自体が伝わらなければMVPのレベルには達しないため)

そして初期のユーザーを獲得するには、ローンチして何らかのマーケティングを行ってユーザーが来るのを待つのもありですし、AdSenseで小額の広告を出して数人集めるのもありですし、ターゲットにあたる人を紹介してもらったり募集したりして使ってもらうのもありです。重要なのはそれらのユーザーについて詳細を把握すること、彼らが製品をどのように使い、どう思っているかを詳細に把握することです。そうしたフィードバックを元にそもそも市場があるのか、あるならばどのように製品をつくりこんでいけば良いかを考えて進めていくのです。

そのようなユーザーとの関わりは実際に対面でできるのがベスト(もし当地に渡航するならばそれを目的にするのが良いと思います)ですが、日本からSkypeでも電話でもメールでもできることはありますし、また項目によっては製品・サービスを通してフィードバックを得ることができます(例えば、アンケートでユーザーが「あれば良いと思う」と言ったとしても、実際にサイト上で購入ボタンを押すとは限りません。そうした実際の行動をパターンでテストすることで「ユーザーの意見」を得ることができます。)

製品を用意する際と同じですが、そうしたことが出来る英語人材がいなかったり、そもそもその類のノウハウに欠けているのであれば、外部からの支援を得ればよいのです。私もそうしたことを行っていますし、他にもそのようなサービスを行っている方々はいるでしょう。何でも自力でやろうとするのは、海外を目指す場合は特に、無理がありますし、リソースの限られたスタートアップは特に臨機応変である必要があります。

箱を用意したりビザが取れるのを待ったりしてからでは機を逃してしまう可能性が大です。後の資金調達を考えると云々とか、色々考えることはありますが、たくさんのユーザーがとても欲しているものを作れれば、その他のことは後からでも何とでもなるのです。どこに拠点があろうとも、まずはとにかく日本の外で初期ユーザーを得るべく動いてみてはどうでしょうか。