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最初のお客さん

「初心を忘るべからず」とはよく言われることですが、最初にお金を払ってくれたお客さんについて、みんなどのくらい覚えているんでしょうね。B2BかB2Cか、セールスサイクルの長さや価格帯によっても重みは違うでしょうが、スタートアップのファウンダーにとっては色々な記憶と一緒に頭の片隅にしまわれているのではないかと思います。

先日またまたQuoraで見たのですが、あのAmazonの一番最初の顧客とその人が買った本は何か、というスレッドがあり、ちょっと感激してしまいました。

最初のオーダーは1995年の4月3日でJohn Wainwrightさんという方が、Fluid Concepts and Creative Analogiesというコンピューターの技術書を買ったとのことなんですが、そのやりとりが絶妙。

Amazon社員が事実を挙げ、さらに実はオフィスキャンパスには第一号であるWainwrightさんの名がつけられたビルがあることを公表。そこにQuoraで本件スレッドを見つけた友人から聞いたと、Wainwrightさんご本人登場。Wainwrightさんは自分の名が冠されたビルがあることなど露知らず。で、Amazon社員がビルに掲げられている説明書きの写真を提供。さらに微笑ましいことに、このWainwrightさんは、その買った本だけでなく箱に入っていたパッケージスリップを未だにきちんと持っていて、求めに応じ写真まで載せてくれました。しかも社員によると、そのときには手元に在庫があったわけではなく、Jeff Bezos自らローカルの本屋で買って発送したらしいです。

成功してあまりにも大きくなると想像しがたいですが、当然ながら最初は普通にスタートアップだったわけで。

Amazonは今では本だけでなく世界中で一日にものすごい数のオーダーをさばくんでしょうが、こういうことをきちんと刻んでおくとは素晴らしいと思いました。また買った人もすごいですよ。これこそアーリーアダプター。いろいろなレベルでお互いのリスペクトを感じますねぇ。

規模の大小とは関係なく、最初のお客さんを称えてちょっとしたことをし、それを社員でわかちあうっていうのは、どのスタートアップでも取り入れられるカルチャー形成のよいアイディアではなのではないでしょうか。

では今日はこの辺で。

 

 

 

 

企業カルチャーの作り方

カルチャーというのは非常に重要でありながら、形として目に見えるものではないので、なかなか難しかったりしますよね。

スタートアップの場合、基本的には、ファウンダーの志向と、その後雇った人たちがどんな人たちかによって形成されていくことが多いと思います。例えばビリヤード台があるとかよりもむしろ、どういうコミュニケーションをとるのか、誰が判断するのか、失敗や成功に対してどういう反応なのか、何が奨励されるのか、どういう人が昇進するのか、顧客に対する姿勢、時間の使い方などなど、そうした日々のことが重なってできていくものだと思います。

とは言え、無料ランチだとか、無制限休暇(これはHubSpotやNetflixはじめ結構導入は広がってます)、とか以前触れたTシャツとか、そういうことで「トーン」とでもいいますか、カルチャー形成に寄与する雰囲気を提供することはある程度可能だと思います。

では、みんなどういうことやってるんでしょうね。Quoraで「What are the coolest startup culture hacks you’ve heard of?」(スタートアップのカルチャーハックで聞き及んだものでイケてるのには何がある?)というディスカッションがあって、色々参考になるので一部シェアしますね。

DropboxのHack Week

1週間のハッカソンのようなもので、皆がやっていることを中断して、何でも好きな物の制作に取り組んで週の終わりに発表するというもの。

Twilioの新入儀式

TwilioはコミュニケーションのAPIをつくっているが、社員全員に自社APIを使って何かをつくりそれをデモすることが義務付けられている。これはエンジニア以外のビジネス側にも当てはまる。

Hub Spotの四半期ごとの席替え

地位にかかわらず個室無しのオフィスにしており、かつ4半期に一度ランダムに席替えする。

Expertcityの鐘

誰でも何らかの成功(例えば顧客獲得!とか)があった場合に、キッチンにあるベルを鳴らして、メールで成功の詳細を伝えることができる。

fresh tiled soilのWorkation

社員を社費で例えばコスタリカとかドミニカ共和国とかに行かせ、そこで普通どおりにリモートで仕事し、且つその後サーフィンとかヨガとか好きな活動ができる、仕事しながらのバケーションのようなもの。

Methodの入れ替わり受付

社員全員が受付を入れ替わりで担当する。

 

 いかがでしょう。簡単に導入できるのもあれば、かなりハードル高いのもありますよね。Workationとか、うらやましいw。コストをかけずとも色々できるので、まずは自分達の方向性にあうものをちょっと考えてみるのが良いのではないでしょうか。更にアイディアを得たい方はQuoraの該当ページを参照して下さい。