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アメリカでのプレスリリース Part 3: メディアへのコンタクト

引き続き、プレスリリース関連の話しです。

前回の内容に沿って、プレスリリースが作成できたとしましょう。では次はどうするかというと、メディアの方々にコンタクトをして記事を書いてもらうように働きかける必要があります。

方法はざっくり3つあって、1つはWireとよばれるプレスリリース配信サービスを使って幅広く配信すること。2つ目は、自社で記者さんのメーリングリストを作成・管理しておいて(気のきいた)マスメールで配信すること。3つ目は、実際のプレスリリース配信前に、個別の記者さんに事前連絡することです。もちろんこれらを組み合わせたハイブリッドもよく行われます。

それぞれ長所短所はありますが、どの方法が掲載率が最も高いかは恐らく明らかでしょう。3つ目の事前個別連絡です。

この行動は通常、ピッチと呼ばれます。(ピッチは他でもよく使われる言葉ですが、まあ要は売り込みですね) コンタクトの方法として最も使われるのはメールです。もちろん既知の知り合いかどうかや、記者さんが指定する別の方法(例えばTwitterでディレクトメッセージとか)があるかにもよりますが、基本はメールです。余程の有名人かすごい貸しがあるとかでない限り、とりあえずアポとって会ってから説明する、ということはあり得ないのでご注意を。

ではメールでピッチする際に何が必要かというと、連絡したい媒体・記者さんのリスト、それぞれのメールアドレス、「つかむ」件名、興味をひく簡潔なメール本文のテンプレートです。この段階では作成したプレスリリースはまだ送りません。

媒体及びどの記者さんに連絡するかというのは、きちんとリサーチする必要があります。常々自分の製品・サービスに関する分野の記事を追っていて、どの媒体が期待する読者層をとらえているか、どの記者さんだったら自分のニュースに興味をもってくれるか、というのを把握しておくのがベストです。が、把握していない場合は、例えば競合製品の記事などを検索しましょう。見つけたらその人がこれまでにどのような記事を書いているか、どういうことに興味があるかを確認します。当たりであれば、直接関係する最近の記事や視点をメモしつつ、リストに入れます。媒体が自分の知らないものである場合は、どのくらいの影響力がありそうかなどをgoogle、見た目、Alexaランキングなどなどで見極めましょう。

メールアドレスを探す手はいろいろとありますが、まずはその媒体のコンタクトページや記者さん紹介ページを見てみるのがいいでしょう。なければ、その記者さんのtwitterアカウントのプロファイル欄、個人で書いているブログなんかはかなり確率が高いです。

計画した媒体・記者数に近づくまでこの作業を繰り返します。(もちろん、予想に反して少なそうなことが分かったら期待値自体を変更する必要があります)

で、いよいよピッチメールを作成します。これに関してはサイエンスではないので、とにかく相手の視点に立って頭をひねる必要があります。件名は短いのでAdWordsの広告を考えるみたいにクリックさせるような文章を検討してみましょう。相手の視点に立つとは、「なぜ時間をさいてこれを読む必要があるのか」に答えるということです。

本文で大事な点は、まず目的と相手との関係性を簡潔に述べること。ここで先ほどの記者さんリサーチ時にメモったことが役に立ちます。例えば「あなたがxx日に書いたyyyの記事を興味深く拝読しました。私が来週リリースする製品Aは記事中で比較されていた速度を2倍上回るもので、追加記事として興味がおありではないかと思いメールしました」という感じです。

そのようなイントロの後に、要点を箇条書きで簡潔(これほんと重要!)に書き、最後に、もし興味があればお知らせ下さい、プレスリリースも送れますし、良ければSkypeなどでも更に詳細をご連絡できます、とかオプションを書いて締めます。 全体で数行から10行くらいが良いでしょう。

全体の内容はテンプレートとして同じで良いですが、最初のイントロ部分は必ずカスタマイズしましょう。それから、言うまでもないかも知れませんが、メールはHi (名前)、などで軽く始めます。名前はファーストネームまたはニックネームでOKです。Mr.名字という書き方はこの業界ではまずないと思っていただいて結構かと。

とまあ、手間隙かかりますが、ここまでしてようやく土俵に上がれる感じですので、自力でやる方はがんばるしかないです。相手から返信がきたら、素早く希望にこたえて話しを進めましょう。場合によってはExclusiveが欲しいとかの条件を提示されることもあるので、その場合は色々と調整が必要になります。

記事になれば見返りは大きいですが、とにかく時間も労力もかかります。このような活動をPR会社やコントラクターにお願いすべきかどうかは、自分がやる場合の効果やコストと照らし合わせてしっかり考えたほうが良いと思います。また、できればプレスリリースを出すタイミングの単発ではなく、日頃からこのような活動を継続して行うべき、というのも念頭において頂ければ。

では今日はこの辺で。

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