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ベンチャーが金融危機から学べること

どうも。今起こっている金融危機はかなり深刻で、他のニュースどころではないという状況でさえあります。

特に$700Bの公的資金を入れる策が却下されたここ数日は、これがシリコンバレーのベンチャーにどう影響するのか、というようなテーマがブログなどあちこちで語られていますが、細かいことは抜きにして、私は以下の二つがベンチャーが心に留めておくことだと思っています。

一つは、今後の経済状況、そしてこれまでの投資銀行がなくなったという相当な出来事の意味がどういう形であらわれるのか、は誰にもわからないので、結局できることと言えば常識的なことくらいだということです。

資金調達の交渉中であれば可能な限りの資金をロックするとか、節約してできるだけ手持ちの資金が続くようにするとか、売上げを出す施策に注力するとか、ですね。

ベンチャー企業の成長予測では、製品が出るまで予測の2倍以上の期間がかかり、コストは予測の3倍とか(数は適当ですが)言われることがありますが、こういう状況下では様々な識者が諸説を述べても予測は的外れになることが多いと思います。今回の証券会社・投資銀行のドミノ倒しで明らかなように、事象の悪化は予想より遥かに早く進みますし、悪いというレベルも予想より酷いこともあるでしょうし、その悪い状況は予想より長引く可能性があります。

そういう時には最悪を念頭において、自分がコントロールできる部分に注力するしかないと思うんですね。それ以外の事に一喜一憂するわけにもいかないですし。

二つ目は、物事をどう表現するかということは非常に重要で、一度何らかのイメージがつくと後で変えるのは大変、ということです。

今回の公的資金の合意に失敗したことの理由の一つに、それが「bailout」として語られていたということがあると思うのです。確かにそうなのですが、私の理解する限りこの措置は例えばベアスターンの救済等とは意味合いの異なるもので、不良債権を引き上げ信用収縮に歯止めをかけることで事業会社、ひいては従業員でもあり投資家でもある国民の生活を守る目的のはずです。

Bailoutという言葉は通常の用法だと、例えばお金持ちがコネとお金を使って裏の手で自分の子供が退学になるのを防いだ、等のネガティブな意味合いがあります。なので、文字通りにとって実際の中身も理解せぬまま、「お金持ちのウォールストリートの人達を助けてあげるとは何事だ」という感情論が先を行ってしまった感があります。

ちょっと強引かもしれませんが、これは自社の製品やサービスをどのように位置づけそして表現するか、ということにも当てはまると思います。投資家に対しても顧客に対しても、言葉やイメージは独り歩きしてしまいがちで、一旦自分の思っていることと違うように捉えられてしまうと、後から「いやそういう意味じゃなくて、実は…」と言おうとしても聞く耳をもってくれる人は少数ですし、言い訳に聞こえてしまったりします。最初のコミュニケーションは大事ですので、そこは念入りにすべきだと思います。

さて、この公的資金、先程どうやら上院ではOKがでたようですが、今後どう推移するでしょうね。今日はこの辺で失礼して、ニュースを見ることにします。そろそろ何らかの光が見たいですね。

ではまた。

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