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「Startup」

今日は一息ついて本の紹介をしたいと思います。 読書の秋ですしね。 ブログの緩急も試行錯誤中です…。

結構古いのですが、テクノロジーベンチャーの起業と歩みについて楽しく把握できる、Jerry KaplanのStartupという本です。日本語の訳本のタイトルはシリコンバレー・アドベンチャー コンピュータに賭けたぼくたちの会社創造ゲームです。

Jerry Kaplanは1987年シリコンバレーにて、時代に先駆けペン入力のコンピューターを作ることを目指したGO Coporationというベンチャーを立ち上げます。 一流VC含め計$75Mという多額の投資をうけ、最盛期には数百人の従業員を抱え、6年間疾走します。 その間、Bill Gatesやアップルとの戦いがあり、IBMやAT&Tとのパートナーシップの難しさに困惑し、John Doerrをはじめとする一流投資家との関係、そして時代の流れに翻弄され、結果として大失敗に終わります。この本は彼自身によるその一部始終のドキュメンタリーです。

シリコンバレーでベンチャー起業をすることの厳しさと楽しさが非常によく描かれています。現在の有名人も結構登場しますし、その後こういったテクノロジーがどうなったかを知っている上で読む楽しさもあります。また彼自身の文才がとても良いです。人間味があふれていて引き込まれます。

これは私がこちらに来た当初、ディスカウント本屋でたまたま遭遇してハマッた本でもあります。その後ベンチャー企業の一部始終をこれほど見事に表現している本には未だに出会っていません。現在のベンチャーとは環境が異なる部分もありますが、それでも学ぶべき点は多いです。

英語で読むのがどうもという方でも、分り易く面白く書かれているので、恐れずぜひ原著を読まれることをお勧めします。