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アメリカ進出に必要なプロトコル

どうも。今日はサンノゼで行われたUS-Japan ITベンチャーサミットなるものに出席してきました。

日本に展開したいUS(或いはヨーロッパ)のベンチャーがいくつかプレゼンをし、それに対して事情に詳しい日本人パネルがアドバイスをし、同様に、アメリカに進出したい日本のベンチャーがいくつかプレゼンをし、それに対して事情に詳しいアメリカ人パネルがアドバイスをするという形式のものでした。こういう試み自体は良いことですね。手法や形式に関しては色々と改善の余地があると思いましたが、今回が初めてということでしたので、来年は更に面白いものになることを期待しています。

さて、このサミットを見ていて改めて思ったのは、アメリカでインサイダーになったり何かしら成功するためには、やはり「アメリカ的」あるいは最低限「欧米的」に振舞う必要があるのかもしれない、ということ。そしてシリコンバレーではひょっとすると「シリコンバレー的」というのも加わるかもしれません。

例えばアメリカに駐在していて英語が達者な人でも、アメリカ人の友人がたくさんいて、アメリカビジネス界の要人への人脈があるかというと、そういうわけではないですよね。それには様々な要因があるかとは思いますが、その一つがこの振舞い方、コミュニケーションのプロトコルと言ってもよいかと思いますが、がアメリカ的ではない為に仲間に入れていないというのがあるのではないかと思ったりします。

シリコンバレーのように外国人が多く住むところでは、下手な英語でも通じますし、外国人に対する理解もある程度あって、嫌な思いをしたりすることはほぼありません。でも、理解がある事と受け入れられる事には結構な隔たりがあるようです。「日本的」プロトコルを使っている人には、日本に興味を持つ人しか寄ってきてくれないということがあるのは、それ以外の人は違うプロトコルを理解しようという動機や暇がないからなのかもしれません。

社交ならばまだ良いものの、ビジネスとなると、スピードの重要性が高いために、他のプロトコルを使っているだけでコミュニケーションが遮断されてしまう危険があるということを、今日のイベントで気づくに至りました。と言うのも、パネルディスカッションが日本企業のアメリカ進出のハウツーの中身というよりは、アメリカ向けのプレゼンの仕方や内容についてのフィードバックに終始してしまった感があった為です。

なぜそうなったかと言うと、恐らく一つは、プレゼンの構成や話し方が通常期待するものと異なったために、その事が引っかかってしまって、中身を充分に理解することが出来なかったからなのではないかと思のです。もちろん、イベントの事前の情報共有が上手くいっていなかったとか、ベンチャーとスターアップという言葉の差が認識されていなかったとか、そういう理由もあるかもしれませんが、このプロトコル相違による情報遮断ということは要注意だと思います。

英語の発音の悪さというものはそれ程気にしなくて良いという印象ですが、論理展開、議論の仕方、社交的な会話の進め方、スモールトーク等の型が違うと、アメリカ人にとってはかなりお手上げのようです。外国人だからとフレンドリーにはされるものの、その先に関係が進んでいかず、ビジネスの相手というよりは、旅行者のような距離を置いた付き合いになってしまうかもしれません。

アメリカでコミュニケーション関連のものを読むと必ず書いてある事が、共通の話題を探したり、相手の話し方やスピードに合わせたり、という調和・共鳴の重要性です。そうすることで人は親しみを感じるということなのですが、これは人種や文化が多様な社会のなかで、コミュニケーションの型・プロトコルという発現可能なことで、同質性を打ち立てるたてるという知恵なのかもしれません。

このことは「アメリカかぶれ」になるとか日本人を捨てて同化するとか、そういうことではありません。違うバックグランドによる意見の違いなどは評価されますし、話の中身は独自のものであるべきだと思うのですが、恐らく聖域のプロトコルは遵守したほうが賢いかも、と思った次第だということです。

こうしたことがシリコンバレーに巣食う多くの日本人によって実践されれば、このような日本のベンチャーを紹介するような会合にも、もう少しシリコンバレーで影響力のあるインサイダーを集められるようになるかもしれませんね。

今日は数年ぶりに5時台に起きたのでかなりへたってます。なのでかなり寝ぼけたことを言っている可能性がありますが、あしからず。
ではこの辺で。

One comment to “アメリカ進出に必要なプロトコル”

  1. 大学生です。勉強になりました!
    異国の地でビジネスをするのは本当に大変だと思いますが、良いキャリアになるだろうと確信しております。

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