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投資家へのデューデリを忘るべからず

どうも。今日はちょっと急ぎなので手短に。

時々話題にしている資金調達ですが、お昼に出た会合で、とあるVCの方が以下のようなコメントをされていました。

「資金をあるベンチャーに提供しようかという話をするとき、VCはもの凄く徹底的にデューデリジェンスをしますよね。そのベンチャー企業の行いだけでなく、起業家自身の家族だとか飼い犬だとか(笑)、とにかく細かくやるわけです。
それなのに、驚くべき事に、起業家の方は、VCに対して極々基本的なデューデリもしない事が多いのです。ファンドの出資者にはどんな人や機関がいて、現ファンドの規模や期間はどれ程なのか、という投資行動に直接影響があるような事項も聞いてこないんですよ。」

起業家がベンチャーキャピタルのビジネスを詳細に知らなくてはいけない、とは思いませんが、このファンドとサイクルというものがVCの意思決定の背後にあることだけは押さえておいたほうが良いでしょう。例えば起業家が$5Mくらい資金調達をしたいと思っていて、VCが「いや早くに多く調達しすぎるのは良くないし、今回は$2Mくらいでいいんじゃないかな」と言ったとします。これは本当にそうかもしれないですが、実際は現ファンドも半ばを超えて懐事情がキツイという内部的な事情からきているだけかもしれません。

この事は一度に資金調達できる額への制限だけでなく、ファンドの残り期間が少なく次のラウンドにおける追加投資をしてもらえなかったり、ファンドを〆る必要が近づいているために、最適な時期ではなくても、その企業の売却を迫られたり、ということにも繋がってきます。

ついつい見落としてしまいがちですが、誰が誰のほうを向いて働いているか(誰に対して責任を持っているか)ということは、外部組織、内部組織の何れにおいても其々の意思決定に関わってきますので、注意を払ったほうが良いと思います。そういうことに敏感であろうとすれば、お互いにウィンウィンな条件に話をもっていくこともできますし、後々にサプライズが少ないはずです。

今日は教訓事の備忘録がわりに、この辺で。ではまた。

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